暁天の星


しばらくしてリュウが帰ってきた。



「里香は?寝てる?」

「ん、まだ熱下がんねえ。」

「そっか…。」



昨日まで元気だったのに急に熱だもんな。




「リュウ、料理酒どこか知らねえ?」



さっきから調味料が見つからねえ。

普段キッチンなんて使わねえからだけど。



「確かその棚。」

「ありがと。」

「何人前?これ。」

「4。ナツも早退して寝てる。」

「えっ。なんで?」

「腹が痛えんだとよ。」



結局昼飯の準備をリュウが手伝ってくれた。



里香とナツの様子を見に行ったけど、2人とも寝てたからリュウと昼飯を食う。




「そういえば里香にしつこく電話してくる奴がいてさ。」

「なにそれ?」

「原田とかいう奴が里香にしつこく電話してくんだよ。うざくて俺が電源切ったけど。」



リュウなら何か知ってんのかも。




「確か今日朝に会ったな。里香と同じクラスのやつだと思う。」

「うるせえからかけんなって言っとけ。」

「まあ一応心配してくれたんじゃねえの?」



バカじゃねえの。


リュウもだいぶ人がいい。





食って数時間したらお迎えがあるし、その前に洗濯物取り込んで洗い物して掃除して。



里香がいねえとこの家回んねえな。



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