暁天の星
晃はそのまま見つけたコンビニに車を止め、里香は菫を連れてトイレへ駆け込んでいった。
「リュウ、珈琲買ってくる。」
「ん。」
晃もそう言い残し、店内に消えていく。
「ナツ上手い〜!」
「ありがとう。」
颯太と那月が始めたあやとりに、いつのまにか視線を移し3人が帰ってくるのを待った。
嬉しそうに笑う那月がいて良かったと思う。
もうすっかり馴染んでいるように見えるけど、それは古参での意見でしかなくて、彼が実際どう思っているのかは分からない。
この家に来て、約2ヶ月が経った。
那月が安心して帰ってこれる家であれればいいんだけど。
とりあえずは今日一日、楽しんでくれればいいかな。
「お出かけの時はトイレ行こうねってあれだけ言ってるのに〜。」
菫にそう言いながら里香が戻ってきた。
「でも出なかった。」
「次からシーって言え。あとは座れば出る。」
「シー?」
晃の適当なアドバイスも菫からしたら未知なまま、チャイルドシートに座って首を傾げていた。