黄色い花


「あやちゃんはいくつなの?」

あたしがたこ焼きを食べながら
夜の海を、見ていたら真剣な顔をした
藤原が質問してきた。

「あたしは17」

「へー、俺は19だから二個下か!」

19なんだ。確かに年上かなとは思った。


「藤原さんは「皐月でいーよ!」


遮られた。

敬語もいらねー!てケラケラ八重歯を見せて
笑う彼にドキッとした。

「皐月はどうしてここのバイトを?」

「俺さ、将来何をやりたいとかなくてさ、とりあえず大学通いながらバイトしてればいーかなと思ってんの。でもこの前やってたバイトで問題起こしてクビになってさ、気晴らしに友達と海来たらここのバイト募集の紙見てさ、住み込みのほうが楽だし、ここから大学も近いんだよね、」


将来か…

あたしには将来があるのかな。

「きっと、きっとやりたいこと見つかるよ。」

なんて自分で言ってビックリした。

皐月もビックリしたがすぐ笑顔になって
「そうだといいな!」


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