新・鉢植右から3番目
彼の少し見開いた目が忘れられない。
ううう・・・そう唸って唇をかみ締める。
私も知識としては知っていた――――――そういえば、まだ独身の時にそんな話も聞いたことがあったではないか!私の周りの女友達はすでに母親になっている子が多いのだから。
一人目を生んだあとからダンナに触られるのが嫌になっちゃって、セックスレスなの、って。でも彼が風俗に行ったりするのは嫌なのよ、どうしたらいいの~!?って、悩んでいるのを聞いたことだってあるじゃん!
あれが、今の私にきているのだ。
ヤツに触られたくない。凄い嫌悪感が突き抜けてくる。だけど、それは私だけの問題であって、ヤツを巻き込んでいいことではない。
うお~・・・・。
折角手に入れた妻という立場が、こんなに困難だったとは!私はテーブルの上で頭を抱える。そこから見えるベビーベッドの中では「愛の結晶」であるはずの娘が眠っている。
・・・あの時は、あーんなに楽しかったはずの触れ合いが・・・。今では金をくれても嫌だよ。
がっくりと全身の力を抜いて、ダリの絵みたいにぐにゃぐにゃになっていた私だった。
ホルモンバランスの嵐の中を漂う私、このままでは・・・転覆して、遭難しそうです・・・。