新・鉢植右から3番目
3、すれ違いの夏
困難な出来事にぶち当たったとき、人によってどうするかは違ってくる。つまり、結果的にすることは同じになったとしても、それに行き着くまでの思考回路が違うってことなのだ。
そして、春先に第一子を産み、それから産後期をつつがなく過ごしてお宮参りも済んだ後で我が家に来た「ダンナが気持ち悪くて鬱陶しくて到底触る気にはならないし、勿論相手からも触られたくない」って状況を打開するために、私、新米の母親である漆原都がしたことと言えば!
・既婚者で出産経験者の友人一同に聞きまくる
・とりあえず神仏にお願いをしまくってみる
・元々あまり会話も接触もない夫婦であることをいいことにして、無視する
・自分を激しく責めて責めて責めまくり、罪悪感を生んだパワーであえてこちらから触ってみる
・・・の、どれでしょうか!などと大きな白い紙に書いて壁にはってやろうかと企むくらいには悩み悩んで、勿論そんなバカ丸出しのことはせず、一番上からやってみることにしたのだ。3番目はやめといて。だってそれでは好転しないことは間違いないし。
愛も関心もない家族になりたいわけではない。折角微か~な恋愛状態に陥ることが出来て、この2年足らず、私は幸せだったのだから!
私に今のこの地位をくれたのは、紛れもなく世紀のダレ男であるうちの夫なのだ。それを忘れてはならないし、今はホルモンの海に浸かりまくっているのだと自覚はあるから抜け出すまで待てばいいのだろうけれど、それがいつになるのか判らないのは恐怖ですらあったのだ。