新・鉢植右から3番目
だって、下手したらこのままかもしれないし。ずっと、ずーっと。・・・とすると、元々女を抱くもの面倒臭いって公言していたヤツとは私はまた同居人に戻る可能性が大なのだ。そんな、まだ32歳なのに!あーりーえーねえええええ~。
あの緊張した夜、つまり、ヤツの手に嫌悪感を抱いて拒否反応が出たあの夜から、私はヤツとほとんどまともな会話をしていないのだった。
またあの反応をしてしまうと、もう申し訳なさすぎて泣けてくる、と思った私は、無理してヤツの帰りに起きているのをやめることにした。だけど、うつらうつらしていても、あの夜以前は感じたヤツの私達の確認を、感じなくなってしまったのだった。
帰宅したヤツは、私達が寝ている部屋を覗くことがなくなってしまったらしい。
それは十分私を慌てさせた。
え、え!?嘘嘘、興味がなくなった!?って。
休日はヤツは桜を足元で遊ばせて相変わらず本を読んでいる。誘えば買い物も一緒にきてくれはするが、結局ベビーカーに寝かせた桜をヤツが店の外で見てくれている間に私が急いで買い物を済ませる、という状態で、夫婦の会話としてはほとんどないと言っていいくらいなのだ。
触れ合い?勿論、ない!今はベビーカーを押している私はヤツと手を繋ぐことなどないし、実際のところ繋げるかは判らない。
ヤツはいつでも淡々と前を見て歩いていて、私を含め、物事の全てに興味関心がなさそうだった。
ごめんね、と改めて謝ることも出来ず、傷付いている?との確認も出来ない。