新・鉢植右から3番目
7、増えていく宝物
とりあえず、産後のホルモンの嵐の中にいた私は、こうして今までの夫婦関係を取り戻すことが出来たのでた。
ってことを、電話ではイライラするからって理由でわざわざ有給までとって我が家に来た奈緒に話した。
「さっすが漆原だわっ!!期待を裏切らないマイペースぶり、あの男ならやってくれると思ってたわよ~っ!!」
奈緒はそう叫んでげらげらと笑う。ついでに机をバンバンと叩きまくっていた。あははははは!と家中に響き渡る彼女の笑い声で、娘の桜も私の膝の上で機嫌よさげにニコニコしている。笑い声は伝染するらしい・・・若干腹は立つが。
ひーひーと涙すら浮かべて笑う女友達をじろりと睨んで、とりあえず私はぶーたれていた。
「私はムカついたのよ!何、あの実験完了みたいな態度。何、そのまま何もなかったみたいに寝やがるあの男!」
「あははははは~だから、あいつにとっては実験だったんでしょうよ!キスで、拒否られなかった、ああ終わったのかってそのままじゃん!うふふふふふ、どうしてそのまま襲わなかったのよ!」
私は呆れて女友達をガン見する。あのまま襲え?本気で言ってるの、この女。とりあえず、純真無垢な子供の前では言えないセリフを聞きそうな予感がした私は、膝の上の桜の両耳を手でそっと覆った。
ちょっとお耳閉じててね、ハニー。
「私は怒ってたんだってば!ロマンチックを求めてるわけじゃないけど、それにしたってあれはないでしょう」
ぶーぶーと膨れながらそう言うと、奈緒は余計にニヤリ顔を大きくした。