新・鉢植右から3番目
で、それに「床から見える景色の中に目印がある」と書かれていたために、ヤツは今、床をもそもそと這いずっている。
しばらくバカでかい毛虫のように床を這いずって目印を探していたけれど、その内脱力して、床の上でだら~りと寝転んでしまう。
「ちょっと、何してるの。早く探してよ」
「・・・休憩」
「休憩しなきゃならないほど動いてないでしょうが!見つけて目印!」
私の言葉に既に15回目のため息。それから片手を頭の中に突っ込んでかき回し、嫌そ~うな低い声でぼそぼそと言った。
「・・・俺の誕生日プレゼントって言った?・・・もう、なくていい」
「あ~ら、じゃあ宝探しは、人にさせといて自分はしないっていうのね?」
「・・・」
「ってことは、あの宝探しがあってこその私達の初夜で、それをなかったことにするならそもそもまだエッチもしてないってことだから、桜も生まれてない結果になるわけよね。君は娘の存在すら面倒臭いとなくそうとしているわけね?」
「・・・何でそうなるんだ?」
うんざりした顔で私を見上げるヤツを上から見下ろしながら、私はふんぞり返って言った。
「私は探したわよ、君からのプレゼント。白いカードに従って、家の中をバタバタと。その結果が娘の桜でしょうが!ほらほら、探して探して」
ヤツは寝転んだままでちらりと娘に目をやる。その存在定義にまで話が膨らんだ娘の桜は、父と同じに床の上を這いずっていて、疲れてしまったらしい。まるで生き倒れのようにその場で寝てしまっていた。うつ伏せで、匍匐
前進しかけたままで。