新・鉢植右から3番目
・・・桜が、寝た。えーっと・・・それで、ヤツがちょっとって言って私を寝室へ誘導して──────ごにょごにょがあって・・・あら?何か、たくさん喋ったような・・・気が。
バチっと目が覚めた。
やはり夢うつつの中であってもそれなりに記憶には残っているらしい。私、言ったよね!?隠し場所とか、その他色々!!
うおおおー!!
起き上がって、バタバタとリビングに突入する。そこには夕日の差し込むなかで、床の上を這いずりながら布製のボールを懸命にしゃぶる桜と、いつもの座椅子で読書をするヤツの姿が。
その光景があまりにも平和で幸福で、私は立ち止まる。
・・・あ、って思ったのだ。
大事なものが、全部ここにあるわって。
チラリとヤツが顔を上げた。目が合ったのを確認して、私はドアの所に立ったままでヒラヒラと片手を振る。
「おはよ。・・・見付かっちゃったのね、プレゼント」
ヤツがニヤリと笑って頷いた。
「自分で探しもせずに手に入れるなんて、さすがというか、何と言うかよね」
私が苦笑してそう言うと、ヤツはしれっとした顔でこういいやがった。
「教えてくれて助かった」
・・・くそう。