プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
声色まで違う。
甘くて、それでいて切ない。
いつも毒舌な祐希の知らない一面。
そのギャップは私の胸を高鳴らせた。
伏せた瞼に祐希の唇が触れる。
そのまま頬に下りて一拍置いたあと、唇が重なった。
唇がこんなにもやわらかいものだということすら知らなかった。
優しくついばむようなキスにどう反応したらいいのかわからなくて、祐希にされるがままになる。
「……口、開いて」
薄く開けた歯の間から祐希の舌が滑り込む。
頭の芯が痺れて、今にも気が遠くなりそうだった。
祐希の舌の動きに必死に合わせていくうちに、気分が最高潮に登りつめていく。
これはただのレッスン。
それを思い出すことで鎮めようと試みても、一向に効き目はなかった。
祐希が、私の心を惑わせるキスをするから。
普段、クールで感情の乱れを見せない彼が、こんなにも情熱的だとは知らなかった。
不意に祐希の腕が私のひざ裏に挿し込まれた。
そのままいともたやすく私を抱き上げる。
このあとなにが待っているのかわかっているだけに、甘いキスに酔いしれていた私は緊張を強いられた。