プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔

このまま朝が来なければいいのに。
祐希とずっとこうしていたい。
叶わない願いを抱えたまま、彼の体温を感じていた。


「日菜子……」


キスの合間に私の名前を呼ぶ祐希の背中に手を回したときだった。

ふと部屋のドアをノックする音が響いた。

祐希がキスを止める。
ドアの向こうを窺うようにふたり揃って耳を澄ませた。

もう一度、ドアがノックされる。


「祐希様、いらっしゃいますか?」


雪さんの声だった。
私から離れようとした祐希の腕を思わず掴む。


「日菜子を探しているのかもしれない。ふたりで同時に消えたら不審に思われるから」


そう言われてしまえば引き留められない。
ここでこんなことをしていることは、誰にも知られてはならないから。

祐希はやんわりと私の手を外し、ベッドを下りた。
脱ぎ捨てたシャツを素早く羽織る。


「日菜子はそっちに隠れて」

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