プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
「では」
「――祐希」
立ち去ろうと向きを変えた祐希を思わず呼び止める。
といって、なにか伝えることがあるわけじゃなかった。
口を開こうとしても、言葉がなにひとつ見つからない。
「おやすみなさい」
痺れを切らした祐希はそのまま足を進めた。
そして、彼が部屋に入ったところで、私も「おやすみなさい」と返した。
ピンクブルボンのことを話してみればよかったと思ったのは、息を吐きながらベッドの端に腰を下ろしたときだった。