プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
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よく晴れた日だったのだと、今気づいた。
昼間は仕事に手一杯で、空模様を気にしてる暇はなかったから。
祐希が眠るベッドを抜け出し、冷たい空気に包まれたベランダに出た。
よく澄んだ空には、半月が浮かんでいる。
薄っすらと白い光を浴びながら、頭が妙に冴え冴えとしていた。
祐希と今夜限りだとは、彼に抱かれている最中でも頭の片隅にあった。
“絶対に結婚はする”
その約束は守らなくてはならない。
ここで私がブレることは、祐希が望むことではないから。
彼を起こさないように身支度を整え、静かに部屋を出た。