プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
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それから数日経った夜のこと。
清美おばさんが私の部屋へ上機嫌でやってきた。
その様子から、なんのネタを持ってきたのかはわかってしまう。
「日菜ちゃーん」
今にも歌い出しそうだ。
「例の日取りが決まったわよ。今度の土曜日」
「ずいぶんと急だね」
十二月も半ば。
年明けになるだろうと軽く考えていた。
「年内に結婚を決めて、新たな気持ちで年を越したほうがいいんじゃないかと思って。先方も大賛成だったのよ」
そして、来年の春頃には結婚式をセッティングされるんだろう。
とんとん拍子で進む話は、どこか他人事のようだった。
「午後一時だからちゃんと空けておいてね。向こうの指定でホテル内の料亭よ。着物を新調してあるから、それを着ましょうね」
まるで自分のことのようにウキウキしている。
あちらから婿をもらう話はどうなったか。
さすがに無理な話と諦めたか。
考えてみたところで、私にしてみればどちらでも同じだった。