プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
美月の目がひと際大きく見開かれた。
あんぐりと開いた口を両手で覆い隠す。
倉田部長は奥様の美月にすら、そのことを黙っていた。
家族に話してしまったとしても、そこまで責められることじゃないのに。
「いい旦那様だね」
きっと、美月に対しても誠実なんだろうと想像できる。
「やだ、日菜子さん、やめてください」
大きく振りかぶった手が私の背中を直撃して思わずむせる。
美月は盛大に照れたのだった。