プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
お父さんと清美おばさんは掘りごたつから足を引き上げて、その場に正座した。
どうしてここに祐希が現れたのか私にもわからなくて、箸を持ったまま身体が硬直してしまった。
「おじさん、清美さん、今までさんざん世話になっておいて申し訳ありません!」
祐希が上体を九十度に折り曲げる。
走ってきたのか、その背中が上下に動いている。
「だから、どうしたの」
清美おばさんはかなり焦っているようだった。
「日菜子さんをこのまま結婚させるわけにはまいりません」
そう言うなり、呆気にとられる私の手を取る。
「え? え?」
なにが起きているのか理解不能。
頭の中はパニックだった。
「おいで」
強く引かれて立ち上がる。