プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔

「そうなんだ……」


祐希がそんなにモテるとは思いもしなかった。
ずっと身近な存在で、男として見たことがなかったから。

改めて祐希の姿を頭に思い描く。

……まぁ顔がいいほうなのは私にもわかる。
鍛え上げられた身体も、まぁ確かに魅力的かも。
Tシャツの下に存在をアピールする胸板を思い出したところで、なぜか顔が熱くなった。
これじゃヘンタイだ。


「普段は見せない、なにかいい要素を隠し持っているのかな」


それは美月にも当てはまる。
眼鏡の下に驚くほどの美貌を隠し持っているのだから。
そしてそれをひけらかすわけでもない。
控えめなところに惹かれる男性は多いんじゃないか。

すっかり食べきった生姜焼き定食を前に美月は頬杖をついた。
あれこれと思い当たることを探しているらしい。
視線が斜め上を向いていた。


「そういう美月は、真壁さんにちょっとでも惹かれたことは?」


そばにつく女性がみんなそうなら、近くで仕事をしている美月ももしかしたらそんな気配があったんじゃないか。

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