プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔

私が質問をすると、彼女は左手を私に向けてかざした。

なんだろうと思ったところで、その薬指に光るものを発見。
小さなダイヤが何個か埋め込まれたプラチナリング、結婚指輪だ。


「結婚してるの!?」


私の驚きをよそに美月は、眼鏡の奥に優雅な笑みを浮かべた。
これが人妻の余裕というものか。


「一ヶ月前です」


新婚さんだ。
つまり、私の質問は『NO』なのだ。

恥ずかしそうに微笑む様子が幸せそうで、なんとも羨ましかった。


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