プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
祐希らしい。
大学受験のときもそうだったっけ。
Cランク判定の志望校を頑なに固持して、結果、成績優秀で特待生になったのだ。
それも二流三流じゃない。
最高学府と言われる大学だ。
「売り切る自信があったの?」
「自分で足を運んで感じた手ごたえや、スタイリストとのコミュニケーションを通して得たものがありましたから。これはいける、とね」
「経験に裏付けされた自信かぁ。すごいな、祐希は」
「感心してる場合じゃないですよ。日菜子さんもついてきてくれないと困ります。せっかく就職したんですから、そういう高みを目指してもらわないと。ほら、行きますよ」
祐希がグンとスピードを上げる。
私が祐希のいるところまでいけるかは別として、それを近くで見てみたい。
そう強く思った。