プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
わざとらしさの欠片もない、心の底から漏れたような吐息だった。
そして、どういうことなのか私に背を向けてしゃがみ込む。
「どうしたの? ストレッチからやれってこと?」
「違います」
下ろした両方の手の平をこちらに向けて、指先をヒラヒラと動かした。
まさか……?
「ほら、早くしてください」
「無理だよ、私重いし!」
おんぶなんて恥ずかしい。
「おんぶが嫌なら、お姫様だっこにしますか?」
今度はサッと立ち上がり、広げた両腕を前に出した。
「そっちのほうがやだ!」
おんぶよりずっと恥ずかしいじゃないか。
お尻を突き出すおんぶの体勢は確かに情けないが、お姫様だっこはどうしても特別感が漂う。
祐希の腕に抱かれるなんて……相当恥ずかしい!
考えただけで頬がチリチリだ。