騙し愛
「どこ行くんだよ?
もうひと試合するぞ浅野。」
藤川の顔は何故かどこかで怒ってるように見えた。
「ごめん。今日はもう帰るわ〜。
高田くんと話しもあるし。」
すっと藤川の腕をくぐり抜けて下靴を履こうとしたら思いっきり腕を引かれ後ろにいた藤川に寄りかかる形になってしまった。
「ちょ。藤……」
藤川を見上げるように振り向くと藤川も私がこんなによろめくとは思わなかったのか目を丸くして驚いている。
「……悪い。風邪引くなよ。」
藤川が持っていたマフラーをぐるぐる巻にされて私は解放された。
なんだったんだ…。。ゲームしたい気分は分かるが今日はごめんよ。