騙し愛
解いた髪から汗の匂いに混じって浅野の匂いがする。
しかも上目遣いで振り向いてきた。
ブカブカの俺のパーカーの首元から白い肌にさっき透けてた下着か顔を見せる。
反射的に抱きしてそうになってしまった。
抱きしめて何しようてしたんだ俺…。
そんな衝動に打ち勝って浅野に貸そうと持ってきてたマフラーをグルグル巻いてその場を去った。
「なぁ、なぁ、浅野とお前って付き合ってるんじゃなかったの?」
浅野がさってからキャプテンが同じ質問を繰り返してくる。
ウザイ……。付き合ってるはずだ。。
仮だけど。。
「付き合ってますって…。
別にカレカノが四六時中一緒って決まりはないでしょ。」
はぁとため息ついて俺も帰ろうと部室へ向った。
「……今日の藤川なんか怖くね…。」
キャプテンがぼそっと呟いた言葉は俺の耳に届かなかった。