騙し愛
「チカ〜おはよう」
駆け寄って行きながら挨拶を飛ばすとチカは振り返って私の方を見た。
「あ、凛おはよう。」
私が飛びつこうとバッと手を広げると華麗に避けられてしまってバランスを崩しずっこけた。
朝っぱらからチョップされるは転けるわで最悪だな。
私が涙目になりながらチカのことを見上げると呆れたのかはぁとため息をついて手を差し出してくれた。
「たく。いきなり飛びついてくるからだよ。大丈夫?」
チカのそんな優しさに私は涙か溢れた。
この子は森重チカ(もりしげちか)。高校からの友達で入学してまだ半年だけどかなり仲良くなったと私は少なからず思ってる。
容姿も可愛くてふわっとカールのかかった長い髪にクリっとしたお目目。私が男だったら絶対に彼女にしたい。
のにチカには彼氏はいない。
たくこの学校の男共はいったいどこに油を売っているんだか。