#恋·恋
帰りたい
「俺がはじめに入るからひとみちゃんは入ったらオーナーに“ご指名ありがとうございます”って言ってね」
『わかりました』
「じゃ、入ろうか」
とにかく、頑張ろう
―――コンコンッ
ガチャッ
「失礼致します。オーナー、ご指名の娘連れてきました」
そう言って視線を私に向ける。
入れってことか。
オーナーがいるVIPルームに足を踏み入れる。
―――足を踏み入れた途端、まるでここだけ別世界
豪華だけどもシンプルなインテリア
光沢のある黒色の綺麗な壁に黒色の床、そしてガラスのテーブルをワインレッドの大きな革張りのソファが囲っている。目の前には大きなモニターまで。カラオケのか
そのソファの中心にまるで構えるように腰掛けているオーナーと左側にひと1人分空けて座る先程の茶髪がいた