#恋·恋
『いやっ!やめて!!』
胸板を思いっきり押し、叫んだ。
『誰かあ!助けて!!』
「…聞こえないよ。だってここ、厨房と距離があるから」
首筋から顔を離し、ニィと不気味な笑みを浮かべる。
「俺ずっと、ひとみちゃんが好きだったんだ」
「なあ、俺の彼女になってよ」
そう言って私の腰を摩り顔を近づけてきた。
怖い怖い怖い怖い怖い。
お願い。誰か来て……。
ガチャッ
「菅原さーん。店長が呼んでますよー」
扉が開いた途端にアイツは私を突き放すように放した。