#恋·恋
「なんだ」
『…なんでもない』
お店での行動といいここといい。
この人はもしかしたら優しい人なのかもしれない、そう思った。
本人には言わないけど。
……お言葉に甘えてたくさん食べよ。
『すいません、海老とマグロとあとアジください』
「かしこまりました」
すぐ様大将が握って出してくれた。
わ、美味しそう…
きれいなお寿司をみて自然と気持ちが高まる。
先に出てきた大好きな海老を口に入れた。
ん。このエビ、ぷりぷりで甘くて美味しい…
「ひとみちゃん、どう?」
私の食べてる姿を見ていた魁斗がにこにこと顔を覗かせ聞いてきた。
『すっごく美味しい』
エビってこんな甘かったんだ
もう一貫食べたいし他のも気になってしまう、
大好きなお寿司を食べれたのがうれしくて思わず笑みが零れた
「──っ!」
「………」
「そ、そっか…たくさん食べてね、」
魁斗は一瞬顔を逸らし、手で口を隠したがすぐ様いつものように私に笑いかけた。
『…――ハァ、ご馳走様でした』
それからたくさん食べた。
何貫食べたか忘れたけど久しぶりにお寿司食べれて幸せだなあ。
温かいお茶でひと息ついていると、
「ひとみちゃん寿司好きなんだね」
魁斗がニコニコと笑みを浮かべて聞いてきた。
『うん、好き』
海産物が大好きだから
チラッと2人のテーブルを見るとどうやら2人はあまり食べてないみたい。