#恋·恋
リビングを後にし、次はどこから探そうかと廊下で考えていると、足音が聞こえた。
足音が近づくのを待っていると、見慣れた人の姿が見えた。
「あ、ひとみちゃん起きたんだね。おはよう」
昨日のスーツ姿ではなく、細身の黒のパンツにベージュの襟付きシャツ、茶色のロングコートの私服姿の魁斗が笑顔で話しかけてきた。
『……あの、ここって…』
「蓮の家だよ」
やっぱり。
『彼は、?』
「蓮なら今仕事」
…こんな朝から?
ちなみに今は午前6時40分
さっきリビングの時計で確認した。
「蓮は多忙な人だから。それより、よく眠れた?」
またニコニコした顔で聞いてきた。
『私…あの後寝てしまいました?』
一応確認してみる
「うん。お腹いっぱいで眠くなっちゃったんだね」
ニコニコと微笑む彼に私はどんどん恥ずかしくなってきた。