#恋·恋
作ってもらったココアはとても甘かった。
『……美味しい』
だけど、今の私には沁みる甘さだった
――ポンッ
隣に座った蓮が私の頭に手を乗せた。
チラリと蓮を見る。
蓮は私に優しい眼差しを向けていた。
その姿に私は思わず泣きそうになり、バレないよう顔を背ける。
「チッ」
舌打ちされた
意味わかんないけど、とりあえずさっきのこと謝ろう
『……ごめんなさい。急に変な態度とってしまって』
顔を向け、謝った。
なぜか目は合わせられないけど…
「……」
『…私、』
「いい」
『え?』
「話さなくていい」
でもさっき“何があった?”って聞いたよね?
「話したくないんだろ」
その言葉に小さく頷く。
「ならいい」
そう言って蓮は私の頭を二度ポンポンと優しく叩く。
それが心地よくて、また甘すぎるホットココアに口をつけた。