#恋·恋
本入店
───翌日
昨夜満島さんから18時に来るよう言われ、時間に間に合うよう家を出てお店に向かった。
「あ、夕ちゃん待ってたよ♪」
開店準備に勤しむ満島さんに会い、挨拶を交わす。
…そうか私、昨日夕という源氏名をつけたんだ
すっかり忘れてた
『本日からしばらくお世話になります。』
「うん、話は聞いてるよ。よろしくね」
挨拶をすると、満島さんは昨日と変わらない笑顔で更衣室に案内してくれた。
「ロッカーはここね。中に必要なもの全て入ってるから、これが鍵ね」
はい、と鍵を渡され、指定されたロッカーを開けてみた。
…中には5着のドレスと3足の靴、2つのクラッチバッグ
「好きに使っていいからね。あとヘアメでサロンにも行くから支度終わったら教えてね」
『わかりました』
そう言って満島さんは部屋から出ていった。
ロッカーに視線を移し、迷うことなく適当に赤のロングドレスと黒のヒールを選びトイレで着替えた。
着心地のいいドレスはオフショルタイプになってて可愛い
昨日のドレスより露出が少なくて、着やすかった
『終わりました』
中に入ってた黒のストールを羽織り部屋を出るとスマホを弄ってた満島さんが振り返る。
「っ、了解。じゃあ行こうか」
一瞬止まった満島さんは私から目を逸らし歩いていく。
お店を出ると、タクシーが止まってた。
「行き先とお金は渡してあるから。着いたら店の人に俺の名前を言ってね」
返事をしタクシーに乗り込むと扉が閉まり発進した。