まさか…結婚サギ?
「あ、それわかる」
「芝居だってことですか~?」
悠太の言葉に
「いや、そうも言ってないけど…あそこまで女の子してると…」
優菜は揚げ出し豆腐を食べながら、由梨を思い浮かべた。
「紺野、意外と女関係疎いかも知れないしなぁ…」
確かにこの数年、貴哉に恋人のいた気配はない。
料理がまたなくなり、追加で頼まれた所で貴哉が帰って来た。
「ねぇねぇ、紺野くん。由梨さんってあれ…わざとつくってるかも知れないよ?女の子ってそういうタイプの子もいるから」
珠稀がそういうと
「それならそれでいい」
「なんでですか~?家だとビールのんでぷはーとか言ってるかも」
悠太が言うと
「隠してるとすれば、俺によく見せたくてしてるんだろ?そういうの可愛いと思うけど?」
「へぇ~」
慎一が興味深い聞いている。
「だいたい、女の子だってトイレに行くけど、それを見せたり見たいと思わないだろ?」
「その、例えおかしいよ紺野くん」
優菜が言うと
「だいたい、出会いはどこで?」
課長が身を乗り出して聞いている。
「下島を連れていっただろ?ソノダクリニックに」
「「あ、」」
と声が重なる。
その事は優菜も覚えている。いつも元気な悠太だが、仕事があるからと無理して仕事を、していてついに倒れこんだのだ。
それを貴哉が近くのクリニックに連れていった。
「で?」
「スマホを忘れた」
「へぇ~…それで?」
「届けに来てくれたのが由梨だった」
「それはまた、偶然の出会いだねぇ…」
優菜が言うと、貴哉がふっと笑う。その顔に優菜が思わず酔いが覚めそうなほどゾクッとする。
「偶然、だなぁ」
「偶然なわけないだろ…紺野だぞ」
慎一が優菜に言う。
「俺だってまさか、由梨が持ってくるなんて予測は出来ませんよ」
くくっと笑う貴哉に優菜はまたゾクッとしてしまう。
「でも、意外なタイプだったわ」
「俺は癒してくれる子と結婚したいんです」
さらりと言う。
「結婚!癒し!」
貴哉と結婚と癒しなんて全く相反している気がする。
「あと2年で社員寮を出るなら、そろそろ相手を見つけて結婚に向かって動くのがベストだ」
「癒してくれるかなんてわからないでしょ?」
「由梨はね、このぶっ倒れてた、アホの下島に『頑張ってるんですね』って言って、笑顔で点滴してくれてたよ、それを見てたら何となくいいなと思った」
「「ほぇー」」
なんというか…計画的と感じて優菜はますます寒くなる。
「忘れたら少なくとも一回はあそこに行く口実が出来ただろ?」
ふふん、と貴哉が笑ってる。
そうか…こいつは見た目だけはイケメンで…由梨はわからないが、その合コンを言ってきた看護師さんたちが対応しても、うまく繋がりを持てたかもしれない。それに少し話しただけだが、由梨のあの感じだと、近くなら届けますといいそうだ。つまり、貴哉の企みは本当の偶然というには計算が働き過ぎていた。
「紺野くん…なんか怖いわぁ」
「なんとでも言え」
「でもさ…、なんかちゃんと彼氏してたよね?」
「当たり前です。今日ここにつれてきたのも警戒心を解くためですから」
珠稀の言葉にまた淡々と答えている。
「へぇ…なんか意外とちゃんと付き合おうとしてるんだね。いきなり結婚とかびっくりだけどさ」
「駒野さんも、変なのに捕まってないでそろそろ他に目を向けたらどうですかね?」
「…変なのって…」
珠稀は…実は課長と不倫している。
その事を優菜も知っていた…何故ならば…。
優菜と貴哉は、その現場を見てしまったからだ…。
「まだそのニヤケの方がマシに見えますけど?」
珠稀は肩を竦めた。
「ほんと、やな男ね。紺野くんは」
「芝居だってことですか~?」
悠太の言葉に
「いや、そうも言ってないけど…あそこまで女の子してると…」
優菜は揚げ出し豆腐を食べながら、由梨を思い浮かべた。
「紺野、意外と女関係疎いかも知れないしなぁ…」
確かにこの数年、貴哉に恋人のいた気配はない。
料理がまたなくなり、追加で頼まれた所で貴哉が帰って来た。
「ねぇねぇ、紺野くん。由梨さんってあれ…わざとつくってるかも知れないよ?女の子ってそういうタイプの子もいるから」
珠稀がそういうと
「それならそれでいい」
「なんでですか~?家だとビールのんでぷはーとか言ってるかも」
悠太が言うと
「隠してるとすれば、俺によく見せたくてしてるんだろ?そういうの可愛いと思うけど?」
「へぇ~」
慎一が興味深い聞いている。
「だいたい、女の子だってトイレに行くけど、それを見せたり見たいと思わないだろ?」
「その、例えおかしいよ紺野くん」
優菜が言うと
「だいたい、出会いはどこで?」
課長が身を乗り出して聞いている。
「下島を連れていっただろ?ソノダクリニックに」
「「あ、」」
と声が重なる。
その事は優菜も覚えている。いつも元気な悠太だが、仕事があるからと無理して仕事を、していてついに倒れこんだのだ。
それを貴哉が近くのクリニックに連れていった。
「で?」
「スマホを忘れた」
「へぇ~…それで?」
「届けに来てくれたのが由梨だった」
「それはまた、偶然の出会いだねぇ…」
優菜が言うと、貴哉がふっと笑う。その顔に優菜が思わず酔いが覚めそうなほどゾクッとする。
「偶然、だなぁ」
「偶然なわけないだろ…紺野だぞ」
慎一が優菜に言う。
「俺だってまさか、由梨が持ってくるなんて予測は出来ませんよ」
くくっと笑う貴哉に優菜はまたゾクッとしてしまう。
「でも、意外なタイプだったわ」
「俺は癒してくれる子と結婚したいんです」
さらりと言う。
「結婚!癒し!」
貴哉と結婚と癒しなんて全く相反している気がする。
「あと2年で社員寮を出るなら、そろそろ相手を見つけて結婚に向かって動くのがベストだ」
「癒してくれるかなんてわからないでしょ?」
「由梨はね、このぶっ倒れてた、アホの下島に『頑張ってるんですね』って言って、笑顔で点滴してくれてたよ、それを見てたら何となくいいなと思った」
「「ほぇー」」
なんというか…計画的と感じて優菜はますます寒くなる。
「忘れたら少なくとも一回はあそこに行く口実が出来ただろ?」
ふふん、と貴哉が笑ってる。
そうか…こいつは見た目だけはイケメンで…由梨はわからないが、その合コンを言ってきた看護師さんたちが対応しても、うまく繋がりを持てたかもしれない。それに少し話しただけだが、由梨のあの感じだと、近くなら届けますといいそうだ。つまり、貴哉の企みは本当の偶然というには計算が働き過ぎていた。
「紺野くん…なんか怖いわぁ」
「なんとでも言え」
「でもさ…、なんかちゃんと彼氏してたよね?」
「当たり前です。今日ここにつれてきたのも警戒心を解くためですから」
珠稀の言葉にまた淡々と答えている。
「へぇ…なんか意外とちゃんと付き合おうとしてるんだね。いきなり結婚とかびっくりだけどさ」
「駒野さんも、変なのに捕まってないでそろそろ他に目を向けたらどうですかね?」
「…変なのって…」
珠稀は…実は課長と不倫している。
その事を優菜も知っていた…何故ならば…。
優菜と貴哉は、その現場を見てしまったからだ…。
「まだそのニヤケの方がマシに見えますけど?」
珠稀は肩を竦めた。
「ほんと、やな男ね。紺野くんは」