まさか…結婚サギ?
「由梨ったら照れてるの?」
くすくすと母が笑う。
「和成さん、ビールどうですか?」
そんな母と由梨とのやり取りを見ながら貴哉はさりげなく父にビールを注いですっかり婿のようだ。
食事があらかたすんだところで、
「貴哉さん、お風呂沸いてますよ」
母の目配せで由梨は貴哉に勧めた。篭には着替えも準備した。
「ありがとう、先に使わせてもらうよ」
貴哉がお風呂の間に洗い物をしてしまう。
「ねぇ、由梨…それ、貴哉くんからのプレゼントなんでしょ?」
それ、とは由梨の左手の薬指におさまったリングである。
クリスマスの朝に、嵌められていた可憐なデザインリングに由梨は気がついた。
由梨からは貴哉には革のキーホルダーを送ったのだ。
「そういうの贈ってくれるって事は、貴哉くんはちゃんと真剣なのよ」
由梨の不安を母はわかってるんだ。
「信じて良いと思うわよ?お母さんが言うんだから間違いないわ」
「ありがとう、お母さん…」
貴哉が出て来て、由梨と母も続いて入り父と母は、かなりご機嫌にお酒を飲んだ。
除夜の鐘をテレビで聞き、由梨は年越しそばを用意した。
新しい年を迎えて、
「私もお父さんも、お酒飲んだらもぉ~起きないからねぇ~」
と、二人して和室の寝室に入っていく。
テーブルを片付けて、由梨は貴哉と部屋に向かう。
二人で部屋に…。
前回は、そういう関係ではなかったけれど…すでに、貴哉との行為を知っている今は自然と体が期待して欲情してしまうのを止められない。
「由梨」
「はい!」
呼ばれてつい、上ずった声が出る。
「今日…ずっと俺の事、見てたよな?」
くすっと笑われて由梨は頬を染めた。
「…見てました…」
「何を思ってたのか…ちゃんと言ってみて?」
(やっぱり…あからさまだったんだ…)
「言えない…」
「おいで、由梨」
促される様に差し出された手を握ると、引き寄せられ布団に座った貴哉の膝に座ってしまう。
「言って、ちゃんと聞きたい」
頬を撫でられて由梨はますます赤くなりながら
「抱き締めて…それから…キスも…してほしいって…思ってました」
「いいよ…。それで…俺を、もっと欲しがれよ由梨」
由梨の望み通りに腕に抱かれてキスをされると、瞬く間に熱く官能の焔が体を駆け巡る。
「由梨…キスまでで、いいの?」
ふっと意地悪な笑みを向けられて、由梨は泣きそうになる。
「…貴哉さん…意地悪…」
「満足した?」
離れていく唇と、力がゆるまる腕に、体の間に冷たい空気がはいってくる。由梨は貴哉に哀願した。
「…ダメ……して下さい…」
「ぎりぎり合格かな…」
そういうと、貴哉の指が唇をなぞる。
「お父さんとお母さんもいるのに…由梨はいやらしい事がしたいんだね…」
「貴哉さん…苛めないで」
「どこが苛めてるのかな?由梨のお願いを聞いてあげただけなのに」
「…ぁ…」
触れられると、何もかも恥ずかしくて、なのにもっとと身も心も求めてしまう。
由梨の上にに重なり合うようになると、手をベッドに縫い止められて、由梨はこくりと喉をならした。
「私…おかしい…」
由梨はねだるように貴哉を見上げて、眼を閉じた。彼が与えてくれるキスを期待して。
ふっと笑う気配があって
「俺に溺れて、もっとおかしくなっていい」
その声にゾクっとして身を震わせた。
由梨のシングルベッドは…貴哉には狭すぎる…そんな事を思いながら、握られた手を握り返した。
くすくすと母が笑う。
「和成さん、ビールどうですか?」
そんな母と由梨とのやり取りを見ながら貴哉はさりげなく父にビールを注いですっかり婿のようだ。
食事があらかたすんだところで、
「貴哉さん、お風呂沸いてますよ」
母の目配せで由梨は貴哉に勧めた。篭には着替えも準備した。
「ありがとう、先に使わせてもらうよ」
貴哉がお風呂の間に洗い物をしてしまう。
「ねぇ、由梨…それ、貴哉くんからのプレゼントなんでしょ?」
それ、とは由梨の左手の薬指におさまったリングである。
クリスマスの朝に、嵌められていた可憐なデザインリングに由梨は気がついた。
由梨からは貴哉には革のキーホルダーを送ったのだ。
「そういうの贈ってくれるって事は、貴哉くんはちゃんと真剣なのよ」
由梨の不安を母はわかってるんだ。
「信じて良いと思うわよ?お母さんが言うんだから間違いないわ」
「ありがとう、お母さん…」
貴哉が出て来て、由梨と母も続いて入り父と母は、かなりご機嫌にお酒を飲んだ。
除夜の鐘をテレビで聞き、由梨は年越しそばを用意した。
新しい年を迎えて、
「私もお父さんも、お酒飲んだらもぉ~起きないからねぇ~」
と、二人して和室の寝室に入っていく。
テーブルを片付けて、由梨は貴哉と部屋に向かう。
二人で部屋に…。
前回は、そういう関係ではなかったけれど…すでに、貴哉との行為を知っている今は自然と体が期待して欲情してしまうのを止められない。
「由梨」
「はい!」
呼ばれてつい、上ずった声が出る。
「今日…ずっと俺の事、見てたよな?」
くすっと笑われて由梨は頬を染めた。
「…見てました…」
「何を思ってたのか…ちゃんと言ってみて?」
(やっぱり…あからさまだったんだ…)
「言えない…」
「おいで、由梨」
促される様に差し出された手を握ると、引き寄せられ布団に座った貴哉の膝に座ってしまう。
「言って、ちゃんと聞きたい」
頬を撫でられて由梨はますます赤くなりながら
「抱き締めて…それから…キスも…してほしいって…思ってました」
「いいよ…。それで…俺を、もっと欲しがれよ由梨」
由梨の望み通りに腕に抱かれてキスをされると、瞬く間に熱く官能の焔が体を駆け巡る。
「由梨…キスまでで、いいの?」
ふっと意地悪な笑みを向けられて、由梨は泣きそうになる。
「…貴哉さん…意地悪…」
「満足した?」
離れていく唇と、力がゆるまる腕に、体の間に冷たい空気がはいってくる。由梨は貴哉に哀願した。
「…ダメ……して下さい…」
「ぎりぎり合格かな…」
そういうと、貴哉の指が唇をなぞる。
「お父さんとお母さんもいるのに…由梨はいやらしい事がしたいんだね…」
「貴哉さん…苛めないで」
「どこが苛めてるのかな?由梨のお願いを聞いてあげただけなのに」
「…ぁ…」
触れられると、何もかも恥ずかしくて、なのにもっとと身も心も求めてしまう。
由梨の上にに重なり合うようになると、手をベッドに縫い止められて、由梨はこくりと喉をならした。
「私…おかしい…」
由梨はねだるように貴哉を見上げて、眼を閉じた。彼が与えてくれるキスを期待して。
ふっと笑う気配があって
「俺に溺れて、もっとおかしくなっていい」
その声にゾクっとして身を震わせた。
由梨のシングルベッドは…貴哉には狭すぎる…そんな事を思いながら、握られた手を握り返した。