まさか…結婚サギ?
相反する
dinner
はじめて来た家で、酔った挙げ句にぐっすり眠ってしまうなんて…。本当に恥ずかしいことをしてしまった。
と思いつつ、由梨はワンピースに続いて艶々のローズカラーのシルクのドレスを借りてドレスアップをする。
家族で夕飯を食べるだけなのに、さすがお金持ちは違うんだな…と、その人たちと共に自分も食べるのに、どこか現実感もなく、由梨は貴哉の母 麻里絵と志歩に言われるがままされるがままに身支度をした。
志歩はといえば、こういう時でもおしゃれなスーツ姿で中性的な色気を放っている。
「由梨ちゃん、鏡を見て~可愛く出来たわ!」
麻里絵は、由梨の髪を綺麗に編んで結い上げてくれた。
「うん、すごく可愛くなった」
志歩がそう言うと、さすが役者だけあってとても魅力的でドキドキと、させられる。
鏡にうつる由梨は格好だけはお嬢様のようになっていて、自分を見返している。
まるでステージであるかのように志歩に手をとられ、こういうのがエスコートって言うものなんだろうな…と、由梨は思った。
(和花が知ったら何て言うかな…)
和花の事を思い出すと、由梨は
「あの、志歩さん。少し図々しいのですけど…サインとかもらってもいいですか?」
そう言うと、志歩は嬉しそうに笑って
「私ので良いならいくらでも」
と了承してくれる。
歩き方から、所作からすべて男役を意識していて、とても格好いい。
「あの…お願いついでに、写メ撮っていいですか?」
小さく聞くと、志歩は快くうなずいてくれ、由梨はスマホで自撮りする。
「ポーズとる?」
「あ、お願いします!」
志歩はかっこよくポーズを決めてくれるので、由梨はパシャパシャと撮らせてもらった。
さすが慣れているのか、由梨が撮った写真を、チェックすると
「由梨さんは、どのポーズが良かった?」
「どれも素敵でした!」
由梨は笑みを向けると、志歩も嬉しそうにしている。
「私の娘ながら、とても格好いいわぁ」
麻里絵もにこにことしている。
「本当に格好いいですね」
由梨もそう言うと、ありがとうと微笑む。
「由梨さん、今日はね une étoile からシェフを呼んでいるの。堪能しましょうね」
une étoileは由梨も名前だけは知っている三ツ星フレンチレストランである。
そこからシェフを呼んでいるとは…さすがセレブは違う。
「あの…でも…私は本当に同席してもいいんでしょうか?」
「洸介のことかしら?みんなで叱っておいたから、きっと反省していると思うわ」
「叱って…」
立派な成人男子である洸介と、叱る、というイメージがどうしてもそぐわない。
そして、シェフを呼んでると聞いて戸惑っているのがわかったのか志歩が話しかけてくる。
「由梨さん、ごめんね、私は仕事柄どこに私の事を知ってる人がいるかわからないから。兄たちと食事するのも誤解されたくないから」
「あ…そうですね」
夢の世界を届ける琴塚歌劇団の人達は、男性と交際している所を知られてはいけないのだ。つまりは、男兄弟と歩いたりして、疑われたりもするかもしれないという事で志歩は避けているのだろう。
「うん。だから、ここはレストランだと思って、楽しんで?」
そう美しく微笑まれると頷くしかない。
と思いつつ、由梨はワンピースに続いて艶々のローズカラーのシルクのドレスを借りてドレスアップをする。
家族で夕飯を食べるだけなのに、さすがお金持ちは違うんだな…と、その人たちと共に自分も食べるのに、どこか現実感もなく、由梨は貴哉の母 麻里絵と志歩に言われるがままされるがままに身支度をした。
志歩はといえば、こういう時でもおしゃれなスーツ姿で中性的な色気を放っている。
「由梨ちゃん、鏡を見て~可愛く出来たわ!」
麻里絵は、由梨の髪を綺麗に編んで結い上げてくれた。
「うん、すごく可愛くなった」
志歩がそう言うと、さすが役者だけあってとても魅力的でドキドキと、させられる。
鏡にうつる由梨は格好だけはお嬢様のようになっていて、自分を見返している。
まるでステージであるかのように志歩に手をとられ、こういうのがエスコートって言うものなんだろうな…と、由梨は思った。
(和花が知ったら何て言うかな…)
和花の事を思い出すと、由梨は
「あの、志歩さん。少し図々しいのですけど…サインとかもらってもいいですか?」
そう言うと、志歩は嬉しそうに笑って
「私ので良いならいくらでも」
と了承してくれる。
歩き方から、所作からすべて男役を意識していて、とても格好いい。
「あの…お願いついでに、写メ撮っていいですか?」
小さく聞くと、志歩は快くうなずいてくれ、由梨はスマホで自撮りする。
「ポーズとる?」
「あ、お願いします!」
志歩はかっこよくポーズを決めてくれるので、由梨はパシャパシャと撮らせてもらった。
さすが慣れているのか、由梨が撮った写真を、チェックすると
「由梨さんは、どのポーズが良かった?」
「どれも素敵でした!」
由梨は笑みを向けると、志歩も嬉しそうにしている。
「私の娘ながら、とても格好いいわぁ」
麻里絵もにこにことしている。
「本当に格好いいですね」
由梨もそう言うと、ありがとうと微笑む。
「由梨さん、今日はね une étoile からシェフを呼んでいるの。堪能しましょうね」
une étoileは由梨も名前だけは知っている三ツ星フレンチレストランである。
そこからシェフを呼んでいるとは…さすがセレブは違う。
「あの…でも…私は本当に同席してもいいんでしょうか?」
「洸介のことかしら?みんなで叱っておいたから、きっと反省していると思うわ」
「叱って…」
立派な成人男子である洸介と、叱る、というイメージがどうしてもそぐわない。
そして、シェフを呼んでると聞いて戸惑っているのがわかったのか志歩が話しかけてくる。
「由梨さん、ごめんね、私は仕事柄どこに私の事を知ってる人がいるかわからないから。兄たちと食事するのも誤解されたくないから」
「あ…そうですね」
夢の世界を届ける琴塚歌劇団の人達は、男性と交際している所を知られてはいけないのだ。つまりは、男兄弟と歩いたりして、疑われたりもするかもしれないという事で志歩は避けているのだろう。
「うん。だから、ここはレストランだと思って、楽しんで?」
そう美しく微笑まれると頷くしかない。