まさか…結婚サギ?
色々な施設があるそこは遊園地あり、映画あり、ショッピング施設あり、スパありのなんでもありなのだ。
「いいよ、行ってみようか?」
貴哉の車で向かうと、まずはランチブッフェでお腹を満たす。
貴哉と並んで、好きなものをお皿に取っていると、ジュースを淹れにいったりと彼は由梨にあれこれと世話を焼いてくれる。
大型の施設は土曜日なだけにとても混みあっている。まずはコースターなどのある遊園地に向かった。
「今日は思いっきり叫びます」
由梨は貴哉にそう宣言した。
「うん、それはいいな」
屋内にあるコースターだから、と甘く見ていたら意外と迫力があって、由梨は思いっきり声を上げた。
「じゃあ、次はあっちだな」
と貴哉が示したのはお化け屋敷である。
「私、ああいうの怖いんですけど…」
「怖いから、楽しめるんだろ?」
貴哉に連れられて由梨は、その腕にしがみつくようにして歩く。
もはや雰囲気だけで、鳥肌がたってしまう。
「ぜったい、離しちゃ、やですよ?」
「わかってるよ、こういうのが男としても醍醐味なんだろ?」
作り物とわかっていても、ガタンと音がしたり飛び出してきたりすると由梨はびくついて貴哉にしがみついた。
やっとお化け屋敷を出た頃には、由梨は喉が痛くなっていた。
「大丈夫?」
貴哉は笑いながら、冷たいジュースを差し出した。
「ありがとうございます」
「俺は楽しかったよ?」
「そ、ですか」
「頼りにされると気分がいいし、しがみついてくる由梨は可愛かったし」
「観覧車、乗る?」
「あ、乗ります」
由梨は貴哉と手を繋いで、観覧車に向かう。
「貴哉さんも、意外とこういう所に慣れてるんですね」
「ん?来たのは多分一回あるかどうかかな。その時は全く楽しくなかったけど」
(それは…やっぱり女の人となんだろうな…)
観覧車に乗り込むと、ゆっくりゆっくりと二人だけの空間が上へと上がっていく。
蟻のごとく群がる…とっかえひっかえ…
渉に言われた言葉が、過去の事なのに気になってしまう。
「由梨は旅行ならどこに行きたい?」
「そうですね…。私はまだ外国に行ったことがないので、カナダとか、イギリスとか…フランスとか、行きたい所だらけです。沖縄も北海道も、行ってみたいです」
「へぇ?そうなんだ」
「そうなんです」
由梨は、外を見ると由梨たちはどんどん真上に向かっていた。
「由梨」
そう呼ばれ顔を向けると、貴哉は優しくキスをして手を取った。
「俺の秘密を教えるよ。…本当は…由梨の事を覚えていた。7年前のあの日からずっと、忘れてない」
「うそ…」
「本当だよ…。由梨が、覚えていなかったのが悔しくて、嘘をついた」
貴哉の綺麗な瞳には由梨が映っている。
「…どうしよう…私…どうしよう」
「今、由梨の胸に俺が刻み込まれていたら、キスを返して」
「貴哉さん…」
由梨はそっと顔を寄せて、唇を合わせた。
その次の瞬間、きつく抱き締められて熱いキスをされて由梨はぼんやりと彼を見上げた。
「忘れるなよ?俺の事」
「…そんなの…もう、無理です」
忘れようにも、忘れられる筈がない。
由梨の心には貴哉の存在は大きく、深くすでに刻みこまれている。
「いいよ、行ってみようか?」
貴哉の車で向かうと、まずはランチブッフェでお腹を満たす。
貴哉と並んで、好きなものをお皿に取っていると、ジュースを淹れにいったりと彼は由梨にあれこれと世話を焼いてくれる。
大型の施設は土曜日なだけにとても混みあっている。まずはコースターなどのある遊園地に向かった。
「今日は思いっきり叫びます」
由梨は貴哉にそう宣言した。
「うん、それはいいな」
屋内にあるコースターだから、と甘く見ていたら意外と迫力があって、由梨は思いっきり声を上げた。
「じゃあ、次はあっちだな」
と貴哉が示したのはお化け屋敷である。
「私、ああいうの怖いんですけど…」
「怖いから、楽しめるんだろ?」
貴哉に連れられて由梨は、その腕にしがみつくようにして歩く。
もはや雰囲気だけで、鳥肌がたってしまう。
「ぜったい、離しちゃ、やですよ?」
「わかってるよ、こういうのが男としても醍醐味なんだろ?」
作り物とわかっていても、ガタンと音がしたり飛び出してきたりすると由梨はびくついて貴哉にしがみついた。
やっとお化け屋敷を出た頃には、由梨は喉が痛くなっていた。
「大丈夫?」
貴哉は笑いながら、冷たいジュースを差し出した。
「ありがとうございます」
「俺は楽しかったよ?」
「そ、ですか」
「頼りにされると気分がいいし、しがみついてくる由梨は可愛かったし」
「観覧車、乗る?」
「あ、乗ります」
由梨は貴哉と手を繋いで、観覧車に向かう。
「貴哉さんも、意外とこういう所に慣れてるんですね」
「ん?来たのは多分一回あるかどうかかな。その時は全く楽しくなかったけど」
(それは…やっぱり女の人となんだろうな…)
観覧車に乗り込むと、ゆっくりゆっくりと二人だけの空間が上へと上がっていく。
蟻のごとく群がる…とっかえひっかえ…
渉に言われた言葉が、過去の事なのに気になってしまう。
「由梨は旅行ならどこに行きたい?」
「そうですね…。私はまだ外国に行ったことがないので、カナダとか、イギリスとか…フランスとか、行きたい所だらけです。沖縄も北海道も、行ってみたいです」
「へぇ?そうなんだ」
「そうなんです」
由梨は、外を見ると由梨たちはどんどん真上に向かっていた。
「由梨」
そう呼ばれ顔を向けると、貴哉は優しくキスをして手を取った。
「俺の秘密を教えるよ。…本当は…由梨の事を覚えていた。7年前のあの日からずっと、忘れてない」
「うそ…」
「本当だよ…。由梨が、覚えていなかったのが悔しくて、嘘をついた」
貴哉の綺麗な瞳には由梨が映っている。
「…どうしよう…私…どうしよう」
「今、由梨の胸に俺が刻み込まれていたら、キスを返して」
「貴哉さん…」
由梨はそっと顔を寄せて、唇を合わせた。
その次の瞬間、きつく抱き締められて熱いキスをされて由梨はぼんやりと彼を見上げた。
「忘れるなよ?俺の事」
「…そんなの…もう、無理です」
忘れようにも、忘れられる筈がない。
由梨の心には貴哉の存在は大きく、深くすでに刻みこまれている。