まさか…結婚サギ?
買い物デート
土曜日…。
昨日に続いてのデートに、由梨はそわそわが押さえられない。
「花村さん、薔薇色だぁ」
くすくすと夏菜子が見てくる。
「昨日は、ありがとうございました」
少し恥ずかしく由梨は小さくお礼を言った。
「いいのいいの。いつも真面目に最後まで片付けとかしてくれてるでしょ?」
診察前の準備中に、そんな話をしていると
「で、ねぇ。彼ってどんな人?」
同じく看護師の梅崎 結愛(ゆめ)が聞いてくる。
夏菜子はバツイチで結愛は働かない彼がついていて、いつも別れるとぼやいている。
「格好いい人です…」
「でたぁ!のろけてる」
ニヤリと結愛が笑ってる。
「いいなぁ、私も良い男と出会いたい」
「で、いくつ?彼」
「26です」
「花村ちゃんは24だっけ?ちょうどいいよね~」
「なになに?恋バナ」
栗木 ありすがそわそわと寄ってくる。ありすは土曜勤務の中では唯一の既婚者である。土曜日は時給がupするからだそうだ。
「花村ちゃんの彼の話~」
「どうせ、今日も明日もでぃとなんでしょ」
ありすの言葉に由梨は思わず赤くなる。
「うーん、可愛いなぁもう」
ふふふっとありすが覗きこんでくる。
「あ、そろそろ朝礼だよ」
夏菜子がマスクをかけて、業務開始となる。
いつも通り、連絡事項がないかを確認して診察がスタートする。
土曜日も、オフィス街とはいえ患者数は多い。
由梨は第3診察室を担当する。
ネット予約も出来るこのクリニックは、瞬く間に予約が入っていく。
時間が近づくと、受付にくるシステムである。
スムーズに仕事は終わり、一時前に受付終了すると一時には診察は終わり由梨はホッとした。
後片付けを終えて、ロッカーに着替えに向かう。
「お疲れ様~花村さん、彼によろしくね」
ふふふっと夏菜子が言う。
「あ、何人くらいって言っておいたら良いですか?」
「うーん、私と結愛もくるでしょ?それから松さんもかな?四人にしておいてもらおうかな?」
「わかりました、そう伝えておきます」
「期待しちゃうね~。できたらクリスマス前にお願いしたいな」
由梨は身支度をして先に出ると、スマホを取り出して貴哉番号をだす。
ワンコールで、切って待つとすぐにかかってくる。
『cafeにいるよ』
クリニック近くの店を告げられて、由梨は急いで向かった。
高めの椅子に腰かけて待っているその姿がとても絵になって素敵で由梨は胸が高鳴る。
(なんでこんなにいちいち格好いいんだろ…)
ちらちらと女性の目を集めている事に由梨は気づいてるが、貴哉は平然として由梨に手を振った。
やっぱり彼女待ちだったね
とひそひそと声が聞こえる。
「貴哉さん、待ちましたか?」
「いや、ひさしぶりにこんな本を買ってしまったよ」
貴哉が見せたのはタウン情報紙、クリスマス特集である。
「前はこういうの、何が良いんだと思ってたけれど…。由梨とどう過ごそうかと考えるのはとても楽しい物だね」
「クリスマス…」
由梨はポッと赤くなってしまった。
クリスマスは平日である。
「時間、つくるから俺と過ごしてくれるよな?」
「は、はい」
(…なんだか…noは言えない雰囲気だったような…)
「私、コーヒーを買ってきます」
「いいよ、ランチに行こう」
「で、でも…昨日から使いすぎになりませんか?」
「ん?」
「毎週だと…」
「気にしてくれるの?」
「…いつも、出してもらってばっかりなので…」
「気にしない。それなりに貰ってるし、ここ何年かは貯まるばっかりだったからね」
くすくすと貴哉は笑った。
ビルの上の方にある、イタリアンの店にはいるとそこはカップルシートのような作りになっていて、隣り合わせて街を見下ろすだ。
「夜は綺麗でしょうね」
由梨が言うと、
「そうだね」
貴哉もうなずいている。
ランチコースを注文して、由梨は姉の話を切り出すことを決めた。
「あの…貴哉さん」
「なに?」
「あの、ですね。私の姉なんですけれど」
「お姉さん、いるんだね、何歳?」
「29です」
「それで…」
と言ったところで、前菜がやって来てつい本題を言いそびれる。
そして、そのあとはお互いにどんなものが好きかを話ながらショッピングをして、由梨はすっかり姉の事を話そびれてしまったのだ…。
由梨はこの日、亜弥の結婚式に向けてリングピローとウェディングベアを手作りするための手芸用品を買うのに、貴哉を連れ回してウロウロとさせてしまった。
作り方の本を片手に持っていると、
「妹に手作りしてもらったらお姉さんも喜ぶだろうね」
と男の人には楽しくない売り場にも嫌な顔もせずに由梨に付き合ってくれのだ。
日曜日は、由梨は以前から高校の友人と観劇の約束をしていたので貴哉とは会えないのにだ…。
昨日に続いてのデートに、由梨はそわそわが押さえられない。
「花村さん、薔薇色だぁ」
くすくすと夏菜子が見てくる。
「昨日は、ありがとうございました」
少し恥ずかしく由梨は小さくお礼を言った。
「いいのいいの。いつも真面目に最後まで片付けとかしてくれてるでしょ?」
診察前の準備中に、そんな話をしていると
「で、ねぇ。彼ってどんな人?」
同じく看護師の梅崎 結愛(ゆめ)が聞いてくる。
夏菜子はバツイチで結愛は働かない彼がついていて、いつも別れるとぼやいている。
「格好いい人です…」
「でたぁ!のろけてる」
ニヤリと結愛が笑ってる。
「いいなぁ、私も良い男と出会いたい」
「で、いくつ?彼」
「26です」
「花村ちゃんは24だっけ?ちょうどいいよね~」
「なになに?恋バナ」
栗木 ありすがそわそわと寄ってくる。ありすは土曜勤務の中では唯一の既婚者である。土曜日は時給がupするからだそうだ。
「花村ちゃんの彼の話~」
「どうせ、今日も明日もでぃとなんでしょ」
ありすの言葉に由梨は思わず赤くなる。
「うーん、可愛いなぁもう」
ふふふっとありすが覗きこんでくる。
「あ、そろそろ朝礼だよ」
夏菜子がマスクをかけて、業務開始となる。
いつも通り、連絡事項がないかを確認して診察がスタートする。
土曜日も、オフィス街とはいえ患者数は多い。
由梨は第3診察室を担当する。
ネット予約も出来るこのクリニックは、瞬く間に予約が入っていく。
時間が近づくと、受付にくるシステムである。
スムーズに仕事は終わり、一時前に受付終了すると一時には診察は終わり由梨はホッとした。
後片付けを終えて、ロッカーに着替えに向かう。
「お疲れ様~花村さん、彼によろしくね」
ふふふっと夏菜子が言う。
「あ、何人くらいって言っておいたら良いですか?」
「うーん、私と結愛もくるでしょ?それから松さんもかな?四人にしておいてもらおうかな?」
「わかりました、そう伝えておきます」
「期待しちゃうね~。できたらクリスマス前にお願いしたいな」
由梨は身支度をして先に出ると、スマホを取り出して貴哉番号をだす。
ワンコールで、切って待つとすぐにかかってくる。
『cafeにいるよ』
クリニック近くの店を告げられて、由梨は急いで向かった。
高めの椅子に腰かけて待っているその姿がとても絵になって素敵で由梨は胸が高鳴る。
(なんでこんなにいちいち格好いいんだろ…)
ちらちらと女性の目を集めている事に由梨は気づいてるが、貴哉は平然として由梨に手を振った。
やっぱり彼女待ちだったね
とひそひそと声が聞こえる。
「貴哉さん、待ちましたか?」
「いや、ひさしぶりにこんな本を買ってしまったよ」
貴哉が見せたのはタウン情報紙、クリスマス特集である。
「前はこういうの、何が良いんだと思ってたけれど…。由梨とどう過ごそうかと考えるのはとても楽しい物だね」
「クリスマス…」
由梨はポッと赤くなってしまった。
クリスマスは平日である。
「時間、つくるから俺と過ごしてくれるよな?」
「は、はい」
(…なんだか…noは言えない雰囲気だったような…)
「私、コーヒーを買ってきます」
「いいよ、ランチに行こう」
「で、でも…昨日から使いすぎになりませんか?」
「ん?」
「毎週だと…」
「気にしてくれるの?」
「…いつも、出してもらってばっかりなので…」
「気にしない。それなりに貰ってるし、ここ何年かは貯まるばっかりだったからね」
くすくすと貴哉は笑った。
ビルの上の方にある、イタリアンの店にはいるとそこはカップルシートのような作りになっていて、隣り合わせて街を見下ろすだ。
「夜は綺麗でしょうね」
由梨が言うと、
「そうだね」
貴哉もうなずいている。
ランチコースを注文して、由梨は姉の話を切り出すことを決めた。
「あの…貴哉さん」
「なに?」
「あの、ですね。私の姉なんですけれど」
「お姉さん、いるんだね、何歳?」
「29です」
「それで…」
と言ったところで、前菜がやって来てつい本題を言いそびれる。
そして、そのあとはお互いにどんなものが好きかを話ながらショッピングをして、由梨はすっかり姉の事を話そびれてしまったのだ…。
由梨はこの日、亜弥の結婚式に向けてリングピローとウェディングベアを手作りするための手芸用品を買うのに、貴哉を連れ回してウロウロとさせてしまった。
作り方の本を片手に持っていると、
「妹に手作りしてもらったらお姉さんも喜ぶだろうね」
と男の人には楽しくない売り場にも嫌な顔もせずに由梨に付き合ってくれのだ。
日曜日は、由梨は以前から高校の友人と観劇の約束をしていたので貴哉とは会えないのにだ…。