【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
けど、私がいいかけたところで、隣の部屋からものすごい笑い声がして。
私と二階堂くんは思わずギョッとして二人そちらに目をやった。
二階堂くんの後ろにある襖の向こうには隣の部屋がある。
個室とはいえ、今回は襖で仕切った畳の部屋だったため、どうしても隣の話し声が大きいと聞こえてしまう。
隣ではおじさんたちが数人、昼間から酒を飲んでいるらしく、酔っ払ったのか、だんだんと声のボリュームが増してきていた。
「……なんか、すごい盛り上がってるみたいだね」
「そ、そうだね」
二階堂くんもあまりの騒ぎっぷりに少し困った表情をしてる。
確かにこれはちょっとうるさいかも…。
でもまぁ、ある意味これくらいの方が、沈黙もしないし変に緊張しなくていいのかも、なんて思った。
「ところで、今何か言いかけてなかった?」