【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
さっきの大騒ぎしていた酔っぱらいのおじさん達だ。
もしかして、本当に…火事!?
「ちょっと二階堂くん、そこどいて!」
ーーバァンッ!!
まさかと思い、二階堂くんの後ろにある襖を思いきり開けてみる。
そしたらその瞬間目に飛び込んできたのは……
もくもくと立ち上る煙と、燃えた畳の床だった。
……ウソッ。なにこれ…。
「……ゲホッゲホッ!!」
急にたくさんの煙を吸い込んでむせてしまう。
たけど、驚いている場合じゃない。逃げなくちゃ。
「二階堂くん、やばい!火事だよ!逃げて…」
「うわあぁぁ〜っっ!!」
すると彼は急にパニックを起こしたみたいになって、その場で頭を抱えて叫び始めた。
「火事!火事だっ!!ウソだろっ!?
あっ!僕のカバン!!」
言われて床を見てみると、さっきまで二階堂くんが座っていた場所に火がジリジリとまわってきている。
そして、今にもそれが彼のカバンにまで燃えうつるところだった。
「あぁぁぁ!!燃える!!イタリア製のカバンなのにぃっっ!!」