【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
ぼんやりとした意識の中でいろんなことを考えてしまう。
私がこのまま息耐えたら、どうなるのかなぁ…とか。
走馬灯のように、急にいろんなことが思い出されて。
それはまるで本当に世界の終わりみたいだった。
ここにいる実感がだんだんとなくなっていく。
すーっと力が抜けていって。
だけど、あと少しで意識が途切れるかも…というところで、急に大きな足音とともに、聞き覚えのある声が耳に飛び込んできた。
「りぃっ!!」
まるで閉まりかけた扉をこじ開けるかのように、私を呼ぶ確かな声。
「りぃっ!返事しろ!
いるんだろ!?りぃ!!」
その声で、私の中に残ったわずかな力が呼び覚まされたような気がした。
……かーくん。