【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
思わずパッと目を開ける。
煙で目の前の様子がはっきりとは見えないし、もしかしたら夢を見てるのかな、とも思った。
だけど、確実にその足音は近くまで来ていて。
次の瞬間、バンッ!と大きな音とともに部屋に誰かが足を踏み入れたのがわかった。
「りぃっ!!!!」
……嘘みたい。
でも本当に、来てくれた。
心のどこかで彼なら来てくれるんじゃないかと信じてた。
本当に助けに来てくれたたんだ。
私のことを…。
「……かー…くん」
今にも消え入りそうな声で、彼の名前を呼ぶ。
そしたら、かーくんはとっさに私のもとへと駆け寄ってきた。
そしてぐったりとした私の体を抱き上げると、
「りぃっ!大丈夫か!?しっかりしろ!!」
その顔を見た瞬間、ホッとして涙が出てきそうになった。
私、助かったんだ…。