【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
学校に着くと、校門の前は高級車でいっぱいだった。
うちの学校の生徒はみんな、基本車で送迎してもらってるから。
私はそれを横目にかーくんと一緒に門をくぐり抜ける。
執事科と私の通う特別科は、校舎が繋がってるけれど棟が分かれてるからここで一旦お別れ。
「それじゃ神楽、またね」
そう告げて私が手を振ると、かーくんは胸の前に手を構えてぺこりと頭を下げる。
「はいお嬢様、お気を付けて」
だけど、さあ行こうと背を向けたその瞬間、ポンと頭に手が乗った。
かーくんの大きな手の平の感触。
振り返ると彼は、小さく笑みを浮かべながらボソッと呟く。
「りぃ、居眠りしないでちゃんと授業聞けよ」
「…っ」