【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
ふわっと王子様みたいな笑顔を浮かべながら問いかけられて、私はすぐに頷いた。
「う、うんっ。いいよ」
「はっ!?おい、なんだよそれ…っ」
それにすかさず反応するかーくん。
だけど、すぐさま紫苑に口を押さえられて、
「…おっと、神楽はまったく口が悪いですね〜。ここは学校ですよ?」
ますます顔を引きつらせる。
「…っ、うるせぇ」
「ん?なんか言いましたか?
それよりせっかくなので、みんなで一緒に帰りましょうか」
そして、少し強引に誘導する紫苑に連れられて、珍しく三人で一緒に帰ることになった。
「なんでお前もついて来んだよ」
「僕が一緒だと何か問題でも?」
「…チッ」
かーくんはめちゃくちゃ不服そうだったけれど。
そのまま私とかーくんは、ちゃんとした会話を交わすことなく家に着いて。
結局、ギクシャクした空気のまま、その日が終わってしまった。
どうしよう、バカだ私。
なんでこんなふうになっちゃったんだろう…。
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