【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
昨日のぶんは、結局紫苑と食べちゃったからなぁ。
「美味しくできるかどうかは、わかんないけど…」
私が自信なさげに答えると、かーくんは右手をひょいっと差し出してくる。
「つーか、今度は全部俺によこせ」
「…へっ?」
それを聞いて不思議に思った。
かーくんは一体、なんでそんなに私が作ったクッキーにこだわってるんだろうって。
まぁ、あんなのでも欲しいって思ってもらえるのは、嬉しいんだけどね。
なんでかな?
これじゃまるで、かーくんも紫苑にヤキモチ妬いてるみたいだよ。
……なんて思ったことは、本人には秘密。
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