【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
そう。こんな時に限って佐野が療養中なんだよね。
「なにそれ、タイミング悪っ!他に運転手いないの?」
「うん。パパの運転手は秘書の辰馬おじさんがやってくれてるから、佐野しかいないかも。
他にも運転ができる人はいるんだろうけど、いきなり頼めるかどうかはわかんないし…。
それに、私にはかーくんがついてるから大丈夫だよ」
そう。どうせかーくんと一緒に帰るから、一人になることはないし大丈夫。
私が自信満々に言い切ると、レミはニヤッと笑う。
「やだぁ、なにそれ〜!
仲直りしたとたんにそれだもんね。頼もしい執事で羨ましいわ。
私も『カイがついてるから大丈夫』とか言ってみたーい」
「はは…」
レミにとって、カイは相変わらず頼りないみたい。
「まぁ確かに柔道と空手極めてる神楽くんがいれば大丈夫かもね。
もしかしたら犯人捕まえてくれちゃったりして。
とにかくお互い気をつけようね」
「うん」
私も多少不安な気持ちはあったけど、かーくんがいると思ったらやっぱり心強かった。
まぁきっと、大丈夫だよね。
はやく犯人捕まらないかなぁ…。
.
*
.