【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
「あぁ、例の切り裂き魔だろ?」
放課後、かーくんに事件のことを話したらやっぱり知っていた。
執事科でも先生から話があったみたい。
「マジやべぇよな。ほんとなら送迎頼んだほうがいいんだろうけど、佐野さんが今あんなだし、今日は仕方ねぇな」
「うん。車送迎でも狙われる子はいるみたいだし、気をつけて早足で帰れば大丈夫だと思う。
かーくんもいるし」
私がそう言うと、振り返るかーくん。
そして、ポンポンと頭に手を乗せてきた。
「うん。りぃのことはちゃんと、俺が守る」
…なんて、実に頼もしい。
昔からかーくんは、私を守ることに関しては、どこか使命感を燃やしているようなところがある。
それは辰馬おじさん譲りの性格なのか、小さい頃からの習慣なのかはわからないけど。
いつだって、こんなふうに言ってくれるのがすごく嬉しかった。
口だけじゃなくて本当に守ってくれるし。
やっぱりカッコいいなぁ…。