【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
するとその時だ。
突然かーくんが、片手をドアについたかと思えば、少しこちらに寄りかかるように身を寄せてきた。
私は背中がますますドアにぴったりくっついて、かーくんに囲い込まれるような体制になって。
…どうしよう。これじゃ、まるでアレだ。
壁ドンならぬあの……。
かーくんはサッと私の耳元に顔を寄せてくる。
ただでさえ狭い車内で密着してるのに、ますます距離が近くなって、さすがに恥ずかしくなってくる。
すると次の瞬間、ボソッと小声で。
「…あの男、りぃのこと、すっげぇジロジロ見てる」
「えっ…」
…あ、ウソ。
やっぱりかーくんも気付いてたんだ。
もしかして、だから今……。
「俺に隠れてろ。絶対目合わせたりとかすんなよ」
…ドキッ。