【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
駅に着いて電車を降りるとすぐに、急ぎ足で改札に向かった。
さっきの男の人も同じ駅で降りたから、少し怖くて。
だけど、彼は改札を出るとすぐに、うちとは逆方向の出口へと歩いて行った。
思わずホッとする。
「…よかった。居なくなったな」
「うん。よかったぁ…」
「たぶん、あいつはただの変態だよな。犯人じゃねぇな」
かーくんも安心した表情を見せる。
ほんとに、犯人じゃなかったみたいでよかった。
「なんか、いろんな人が怪しく見えて怖いね」
「あぁ。マジ気が抜けねぇ」
「でも、かーくんがいてくれてよかった」
私がそう口にすると、かーくんはフッと優しく微笑む。
そしてまた、ぎゅっと手を繋いできた。
「まぁ、危なっかしくてこっちは大変だけどな」