【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
だけど、ムスッとしたまま大股で一人歩きしてたら…
ーーガシッ!!
「…わっ!?」
いきなり後ろから片腕で捕まえられた。
一瞬何かと思って心臓が飛び跳ねる。
でもその匂いは、知らない匂いじゃない。
「バカお前、危ねぇから。離れんなっつってんだろ」
…どきん。
やっぱり…かーくんだ。追いかけてきてくれた。
かーくんはそのまま私を、ぎゅっと自分の腕の中に閉じ込める。
なんだか抱きしめられてるみたいで、またドキドキした。
変なの、私…。怒ってたはずなのに。
「だ、だってっ、かーくんが意地悪言うから…っ」
かーくんの腕に、自分の手をかける。
「冗談だよ。真に受けんな」
「真に受けるよ」
「ごめん」