【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
そんなふうに素直に謝られたら、怒りが一気にしぼんでしまう。
しょうがないなぁ、もう。
「…じゃあもう、いじらないでね」
「ハイハイ」
「…っ、ほんとにごめんって思ってる〜?」
「思ってるよ」
手を離して振り返れば、かーくんは笑ってる。
イタズラっぽい少年みたいな笑顔。
その顔を見たらやっぱりなんだか憎めなくて、ムッとした気持ちはどこかへ吹き飛んでしまった。
「だからほら、行くぞ」
かーくんは再びぎゅっと手を繋いでくる。
その手があったかくて、安心する。
たまに意地悪だけど、口が悪い時もあるけど、かーくんはなんだかんだ優しいから。
私は結局意地を張り続けることができないんだ。
この心地いい関係が、ずっとずっと続いてほしいと思う。