【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
嫌だ。嫌だよ…。
誰か助けてよ。
お願いだから、かーくん、気がついて…。
男は私のセーラー服のスカーフにナイフをあてると、サッと下に引く。
その瞬間、赤いリボンが二つに切れて、はらりと左右にぶら下がった。
「ヒヒヒヒ…ゆっくり楽しませてもらおうかな」
「…っ!」
本当に切られちゃった…。
恐怖のあまり声が出なくなってくる。
男は今度はスカートをナイフでめくり上げると、スーッと持ち上げるように引っ張って切り目を入れる。
「いいねぇ〜。やっぱり青蘭の制服が一番だよ」
私はもう、抵抗することさえできなくて、ただ震えながら怯えるばかりで。
今度こそ本当に、もうダメかもしれないと思った。
このまま私、どうなっちゃうの…?
体まで切りつけられるの?それとも襲われちゃうの?
体が、動かない…。
人間、本当に恐怖を感じると、意外と何もできなくなっちゃうんだ。
もう、この人の気がすむまで耐えるしかないのかな。
そう思ってぎゅっと目をつぶった、その時だった。
「りぃっ…!!」