【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
どこからか聞こえてきたかーくんの声に、私はハッとして再び目を開けた。
同時に男も後ろを振り返る。
「…っ!誰だ?」
すると、私の姿を見つけたかーくんが、勢いよくこちらへ走ってきて。
「おいてめぇ、なにしてんだよっ!!」
「ゲッ、やべっ…!」
「うちのお嬢様から離れろ!!」
すぐさまナイフを持った手を取り上げると、思いきり男の顔面に右ストレートをかました。
ーーバキッ!!
「…うぉあっ!」
男はそのまま地面に倒れこむ。
その勢いで、カランカラーンとナイフが下に転がる。
かーくんはそれを足で蹴ってさらに遠くへ飛ばすと、すぐに私の元へ駆け寄ってきた。
「りぃっ!大丈夫か!?ケガは!?」