【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜
私はその姿を見ただけで、ホッとして、涙がじわじわあふれてきて。
「だ、大丈夫…っ」
思わずぎゅっとかーくんに抱きついた。
かーくんも強く抱きしめ返してくれる。
よかった…。かーくんはやっぱり来てくれた…。
「バカ!なんで勝手にどっか行くんだよ!」
「ごめん…だって…っ」
「…ったく、心臓止まるかと思ったじゃねぇかよ」
「ご、ごめんね。ちょうど道聞かれたから…」
「いや、でもまぁ…目離した俺も悪いよな。ごめん。
ほんとに変なことされてねぇよな?」
「う、うん。制服…切られただけ…」
「…っ」
私がそう答えると、かーくんは腕を離して、私の姿をあらためてじっと見る。
そして、悔しそうに顔を歪めると、倒れている男を再びじっと睨みつけた。
「こいつ…」